所属をしていたライオンズクラブでは、中高校生のための弁論大会を実施、表彰者は韓国への短期留学招待という取り組みを行っていました。
その時、ある先輩の姿に感心したことがあります。
だから、この先輩は着実に成長していくのだ。と、自分の思慮の足りなさに気づいた一件でもあります。
さて、弁論大会には、各学校から選ばれた生徒、十数名が韓国行くの切符を手に入れるため、それぞれが素晴らしい発表を行います。
そのため、審査員数名が点数をつけ協議し、優秀者を選び出します。
私が客席に座って登壇する生徒たちの弁論を聞いていたときのことです。ふと、横に座っている先輩を見ると、なにやら忙しくペンを動かしています。
何気なしに「(・・? ○○さん、何をしていらっしゃるんですか?」とお尋ねしたら
「審査してる」
と一言。
自分が審査員の立場として、生徒たちの発表を聞き、点数をつけていたのです。
あぁ、成功していく人たちって視点が全然違うんだ。と感じた瞬間でした。
その時の私は、ただ、弁論を聞いているだけ。ちょっとは印象に残ることもあっても、すぐ忘れてしまう。そんな状態です。時間が過ぎれば記憶なし。
弁論大会が終わった後、先輩に尋ねてみました。どうして点数つけていたんですか?その答えは、
「いつでも審査できるように」
審査する方々はそれなりに実績のある方ですから、先輩は、実績出して審査できる自分になる。と決めていたんですね。
未来の自分を先取りしていたのです。
この先輩というのは、女性のための起業支援セミナーで知り合った方。
あれよあれよという間に、先輩も、経営する会社も成長を遂げていきました。
私も、その出来事以降、自分が審査員の立場だとしたら。と考えて弁論を聞くようになりました。他にも審査で言うとオーディションなんかもそうですね。もちろん、見る聞くだけではなく、筆記用具をもって実際に点数をつけ審査しました。すると、審査員でなければ気づけなかったことに思い至るように。
なにより、他人ごとではなく、自分事として能動的に話を聞くようになったこと。
自分の感覚だけの好き嫌いだけで判断することがなくなったこと、「審査」はものさしが必要ですから、俯瞰してみることができるように訓練されていったようです。
また、思わず感想を求められたときに、しどろもどろにならなくなりました。
その後の人生において、この経験がどれほど役に立ったことか。先輩を通じて私も未来の先取りをすることができていたのです。
小さな出来事ですが、「大差」は「微差が積み重なったもの」
同じ「弁論大会に参加する」という経験ですが、その経験にどのようにかかわっていくか。というのは個人それぞれ。
先輩のような人もいれば、居眠りしている人もいるし、どんな行動をとるのが正しいということはありません。
しかし、自分の望む人生を歩む人になりたいのならば、先輩のような能動的態度は大きなアドバンテージになると実感します。
こうやって、日頃から自分の脳を訓練していくことが大切なんですね。
えっ?そんなのめんどくさい?
それは、あなたの心の奥底に潜む「子ども心」をしつけをし直す必要がありそうですね。